今日は甲状腺機能低下症について書きます。最近、当院でも多く治療している病気です。
甲状腺とは首に左右1つずつある器官です。ここから甲状腺ホルモンを分泌していますが、甲状腺ホルモンは全身の代謝をあげる役割があります。簡単に説明すれば食べたものをエネルギーとして消費して元気を保つ働きです。この甲状腺から原因は詳しくわかっていませんがうまく甲状腺ホルモンの分泌ができなくなり、さまざまな症状が現れる疾患です。
犬に多く見られ猫ではほとんどみられません(猫の場合は甲状腺機能亢進症がみられます)。10歳前後の中高齢で多く見られます。
その代表的で目に見えてわかる症状が皮膚症状です。はじめフケが多くなったり、鼻先がやしっぽの毛が薄くなった程度ですが、徐々に進行すると全身の毛が抜けていきます。脱毛した皮膚は抵抗力が弱く、細菌感染が起こると治りにくい皮膚病につながってきます。
そのほかの症状としてはエネルギーがうまく作れないので、元気なく、食事の量を増やしてないのに体重が増えたりします。しかし、年を取ったせいで元気がなく動いてないからと思われて見逃されることが多いです。
診断は血液による甲状腺ホルモン濃度の測定により確定診断します。他にも軽度の貧血、コレステロール値の上昇などがみられます。
治療としては甲状腺ホルモンの投与ですが、毎日生涯にわたり飲み続けなければなりませんし、投与量が適切な量であるか定期的な血液中のホルモン検査が必要になります。
当院では以前は甲状腺ホルモンの測定は外部の検査機関で行って時間がかかっていましたが、院内で測定器を導入しましたので、すぐに診断が可能になりました。ご説明した症状があればご相談してください。
写真 鼻先が脱毛し黒く色素沈着をおこしている。
写真 脱毛。上から見ると左右対称に脱毛が見られるのが特徴です。
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